哲学入門 第二水準要約 本書と構成を把握する
序 これがホントの哲学だ
本書は、哲学の中核にみなさんをいきなり誘いこむことを目論んでいる。
本書では、ありそでなさそでやっぱりあるものの本性について考える。
本書は二〇〇〇年以上におよぶ哲学の歴史と問題を共有している。
本書では、デネット、ミリカン、ドレツキ、ペレブームら、あまり知られていない哲学者たちが言及される。
ありそでなさそでやっぱりあるものの本性という哲学の中心問題にダイレクトにとりくむ、というのが本書の基本姿勢だ。
本書の本当の主役はあくまでも「ありそでなさそでやっぱりあるもの」たちなのである。
本書は唯物論的・発生的・自然主義的観点からの『 哲学入門』 だ。
第4章 表象
本書全体の目的は一貫している
従来、ココロの領域に属するからってことでモノの世界とは別扱いされていた「ありそでなさそでやっぱりあるもの」たちをモノだけ世界観に描き込むってことだ。
序 これがホントの哲学だ
そこで、本書の構成は次のようになる。
まず、 表象の進化 というコアの話に至るとっかかりとして、われわれの心が何かを意味できるという、ごくありふれた事実から出発する。
第1章を見てほしいが、この事実を唯物論的世界観に描き込もうとすると、機能という概念を反省する必要が生じる。
第2章では機能という存在もどきを描き込む作業を行う。ここまでは、心的表象という、いまそこにないものを表象できるしくみが現に存在していることを前提しているので、いわばトップダウンの議論だ。
第3章では逆に、生きもの、つまり解読者の存在を前提しない情報の概念を扱う。
情報の流れとしての世界の中に、いまそこにないものの表象がどのようにして現れることができるのか。これが、表象の進化を扱う第4章のメインテーマだ。
本書の後半は、第4章でスケッチした表象の進化の筋道を踏まえて、科学ではイカニモ扱えなさそうで、それゆえ哲学独自の守備範囲だと思われていた、目的(第5章)、自由(第6章)、道徳(第7章) の描き込みを行う。
最終章では、人生の意味(キャッ) について語ってしまおう